【芯出し】ダイヤルゲージの原理と使い方を解説

その他

こんにちは。

みなさんは、ダイヤルゲージというものをご存じでしょうか。機械加工や作業現場などで使われることがあります。距離を測るのが主な役割ですが、通常のものさしやメジャーなどとは異なり、少し癖がある計測器です。

この記事では、ダイヤルゲージとはどんな計測器か、その原理と使い方を解説していきます。

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ダイヤルゲージとは?

ダイヤルゲージとは、次のようなものです。

ダイヤルゲージは、「距離」を測るための測定器です。
「距離」を測る計測器には、ものさしやメジャーなどもありますが、これらとは異なる特徴が2つあります。

1つ目の特徴は、「非常に小さい距離を測ること」を得意としていること。ダイヤルゲージは、0.5mmや0.01mmといった、非常に小さい距離を測ることができます。ノギスやマイクロメータに近い部類です。

2つ目の特徴は、「比較測定器」ということです。
ダイヤルゲージは、製品の端から端までを測定するようなものではありません。
通常は手で持って計測することはなく、マグネットスタンドに取り付けて固定し、ゼロ点を決めて測定します。
基準となるマスター品を予め計測してゼロ点としておき、製品がマスターと比較してズレているかどうかを測るような場合に、非常に精度良く測ることができます。
これは、ノギスやマイクロメータとも異なる特徴です。

各部の名称や役割は次の図の通りです。

測定子に測りたいものを当てることにより、スピンドルが上に引っ込みます。
すると、引っ込めた距離に従って長針が動きます。長針の目盛りは図の場合は0.01mmですので、1目盛り分動けば、スピンドルが0.01mm上に動いたことになります。短針は長針1回転で1進むため、図の場合は1回転もしていないということです。

上の図の場合、スピンドルを引っ込めると、長針は時計周りに動き、短針は反時計回りに動きます。

ダイヤルゲージの原理

ダイヤルゲージの内部は下の図のような感じです。(一例です)

各部の名称は次の図の通りです。

上の図のように、ダイヤルゲージの内部は主に歯車やばねの組み合わせで成り立っています。

水色のスピンドルには、「ラック」と呼ばれる歯がついていて、それがオレンジ色の「ピニオン」と呼ばれる小口径の歯車と組み合わさることにより、スピンドルの直線運動が歯車の回転運動に変換されます。ラック&ピニオンという歯車の一種の機構です。

更に、オレンジ色のピニオンの回転運動は大口径の歯車、青色のピニオン、大口径の歯車と次々に伝達され、中央のセンターピニオンへ伝達されることにより、長針が回転します。

スピンドルの上下への移動量と、長針の角度の変化量の関係は、それぞれの歯車のギア比の関係によって決まります。上の図の例では長針が一周すれば1mmとなりますので、スピンドルの1mmの移動量で長針を360°回転させるようなギア比の組み合わせで増幅させています。

また、ピンク色の歯車には渦巻ばねがついています。歯車にはバックラッシュという遊び部分が必ずありますので、その分だけ計測値にばらつきが生じてしまいます。計測誤差をなくすために渦巻ばねを設置し、バックラッシュ分の移動を抑制しています。

引き戻しばねは、測定子を測定対象へしっかり接触させる目的と、測定終了すればスピンドルを元の位置に戻す目的で設置されています。

このように、ダイヤルゲージは歯車やばねの機構を組み合わせることにより、1mmの上下運動を長針の一周分に増幅し、目盛りで100等分することにより、僅か1/100mmの上下運動まで正確に計測することを可能にしています。

なお、ピンク色の歯車に短針が繋がっていますが、センターピニオンより歯数を多くすることで、1mmや1回転などの大きい単位を示しています。従い、1mm以上の上下運動の場合は長針は一周を超えますので、短針と合わせて読み取ることになります。

ダイヤルゲージの用途

ダイヤルゲージはここまでの解説の通り、0.5mmや0.01mmといった、非常に小さい移動量を測ることができる特徴があります。また一方で、大きい移動になると短針と長針の両方を見る必要がありますので、製品の端から端までの絶対値を測定するようなことは苦手です。

これらの特徴から、何かしらの基準値を設けて「ゼロ」して設定し、そこからのわずかな差を測るような場合に適した計測機器と言えます。

通常、ダイヤルゲージはマグネットスタンドに取り付けて固定して使用します。使用例は以下のようなパターンです。

  • 基準となるマスター品を予め計測して目盛りのゼロを合わせ、その状態でジョブ品を計測することにより、ジョブ品がマスターと比較してどれだけばらつきがあるか計測
  • 製品の表面の1点を計測して目盛りのゼロを合わせておき、製品を横移動することにより表面に凸凹があるかを計測
  • 回転物の基準となる部分を計測して目盛りのゼロを合わせておき、回転物を回転させることにより回転物の回転がどれだけ真円からズレているか計測

まとめ

この記事では、ダイヤルゲージとはどんな計測器か、その原理と使い方について解説してきました。

  • ダイヤルゲージは、距離を測るための測定器で、「非常に小さい距離を測ること」と「比較測定器」という2つの特徴がある。
  • ダイヤルゲージは歯車やばねの機構を組み合わせることにより、小さな距離を正確に計測することを可能にしている。
  • ダイヤルゲージは、マグネットスタンドに取り付け、基準値からのわずかな差を測るような用途に適している。

参考になればうれしいです。
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