【車】バッテリーが上がった時の対処方法と注意点を解説

生活ネタ

こんにちは。

皆さんは、自動車のバッテリーが上がり、キーをいくら回してもエンジンがかからないというトラブルに会われたことはありますでしょうか。

我が家では、ルームライトの着けっぱなしにより、自宅マンションの駐車場に駐車している間にバッテリーが上がってしまい、やむなくロードサービスを呼ぶことになったことがあります。
当時加入していた自動車保険に付帯のロードサービスに連絡しましたが、自宅敷地内は無料サービスの対象外だと言われ、泣く泣く1万円程のサービス料を支払うことになりました。

こういうトラブルの会った時、焦らずに対処するためには、事前に色々な対処方法を知り、準備しておくことが肝心です。

この記事では、自動車のバッテリーが上がってしまった時の、対処方法と注意点を詳しく解説します。

なお、この記事で紹介する対処方法は、一般的なガソリンエンジンの乗用車で使用されている12Vの鉛蓄電池をベースにしての解説です。
トラックなどの大型車の場合や、ハイブリッド車の場合などは注意事項が異なりますので、ご注意ください。

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救援車の力でジャンプスタートする手順

最も一般的な対処方法は、バッテリーが正常なもう一台の車に助けてもらってエンジンをかける、「ジャンプスタート」と呼ばれている方法です。
以下の図のように、バッテリーが上がった車と救援車のバッテリーを「ブースターケーブル」で繋ぎます。
繋ぐ手順は「プラプラマイマイ」と、おまじないのように覚えていれば繋げますが、なぜその順番なのかというところは、後半で詳しく解説していきます。

1. ジャンプスタートに必要なものを準備する

まずは、ジャンプスタートに必要な道具から解説します。

1つ目は、「ブースターケーブル」です。
両端にワニ口クリップが付き、被覆が赤と黒で色分けされています。赤がプラス、黒がマイナスです。
気を付けないといけないのは、許容電流値です。一般的なガソリンエンジンの乗用車であれば、100A程度を許容できるケーブルであれば問題ありません。
詳しくは、モノタロウのホームページで詳しく解説されていますので、見てみてください。

リンク:モノタロウ

2つめは、「救援車」 (あたりまえ)
バッテリーが上がった車が一般的な乗用車であれば、バッテリーは12Vですので、同じく12Vのバッテリーを搭載していることを確認しましょう。
(トラックのバッテリーも12Vのバッテリーをを2つ繋げているだけなので、注意すれば救援はできます。)

3つ目は、耐電グローブ
グローブは必須ではありませんが、感電するのが怖いという方は、耐電グローブを準備しておけば安心です。手のひらや指先などがゴムで覆われたタイプの手袋であれば良いと思います。


2. 救援車を近づけてブースターケーブルを伸ばす

ブースターケーブル接続の準備です。

まず、ブースターケーブルが届く距離に救援車を近づけます。
ブースターケーブルは様々な長さのものが販売されていますので、ご自身が持っているケーブルの長さに合わせ、救援車を近づけます。
近づいたら、エンジンを切り、サイドブレーキをかけた状態にします。

次に、近づけた車の間にブースターケーブルを伸ばし、地面に置いておきます。
この時、クリップが車体に触れたり、クリップ同士が触れあったりしないようにしておきましょう。
後で解説しますが、ケーブルを整理しておくだけで、ショートする可能性は小さくできると思います。

3. ブースターケーブルの繋ぎ方はプラプラマイマイの順

準備が整ったので、実際にバッテリーにブースターケーブルをつないでいきます。
繋ぐ手順は「プラプラマイマイ」と、おまじないのように覚えていれば繋げます。
後で説明しますが、必ずしもこの順番である必要はありませんが、これが一番安全に接続できる順番として、多くのところで紹介されています。

① バッテリーが上がった車のバッテリーのプラス端子に赤ケーブルをつなぐ

② 救援車のバッテリーのプラス端子に赤ケーブルをつなぐ

③ 救援者のバッテリーのマイナス端子に黒ケーブルをつなぐ

④ バッテリーが上がった車の車体に黒ケーブルをつなぐ

4. 救援車のエンジンをかける

ブースターケーブルをつなぎ終わったら、次に救援車のエンジンをかけます。
救援車のエンジンをかける時、自身のセルモータを回すためにバッテリーの消耗がありますし、これからバッテリーが上がった車のセルモータも回さないといけないので、少し救援車のバッテリーも充電します。といっても、5分ぐらいで良いと思います。
この時、既につなげてあるブースターケーブルを介し、バッテリーが上がった車のバッテリーの充電も始まります。

その後、救援車のエンジン回転数を1500~3000rpmぐらいに少し上げます。追加でセルモータを回すので、救援車のオルタネータでより多く発電しておくのが目的です。

5. バッテリーが上がった車のエンジンをかける

いよいよ、バッテリーが上がった車のエンジンをかけます。
上手くいっていれば、問題なくエンジンがかかります。

エンジンがかかれば、つないでいたブースターケーブルを外します。
外す手順は、つなぐ手順を逆に戻っていけば問題ありません。

6. しばらく走行する

バッテリーが上がった車は、エンジンがかかればオルタネータが発電を始めるので、自身の力でバッテリーを充電し始めます。
ここで、直ぐにエンジンを切ってしまうと、次にオルタネータを回す電力が充電できていない可能性がありますので、しばらくはエンジンをつけたままにします。発電量を多くするため、走行して回転数を上げた方が良いです。

エンジンを停止する時は、可能であれば再びジャンプスタートできる場所で停止するか、ガソリンスタンドなどで切る方が無難です。
場合によっては、バッテリーが劣化して充電できない状態となっていることや、オルタネータの動作不良も考えられますので、点検することを推奨します。

なぜプラプラマイマイの順番?

ここまでは、バッテリーが上がった車のジャンプスタートの手順について解説してきましたが、ここからは、なぜその手順なの?というところを、原理を交えて解説していきます。

車体も回路の一部

車の電装品の構造は、単純に表現すると、以下の図のようになっています。

ポイントは、「車の車体が回路の一部」になっていることです。

通常であれば、プラス側の導線は、図の赤線のように、バッテリーやオルタネータのプラス側と、負荷となる電装品のプラス側がつながっています。

一方、マイナス側は、図の黒線のように、最終的にオルタネータやバッテリーのマイナス側とつながるのですが、その途中に車の車体を通ります。

つまり、プラス側は、ケーブルを社内に張り巡らせることでつなげているのですが、マイナス側は、各機器から近くの車体につなげているだけ。バッテリーへ戻る導線も、車体からとっています。
こうすることで、導線の量が減ることになります。

プラス側とマイナス側を同時に触れば感電しますが、プラス側が厳重にガードされていますので、人の手に触れるのはマイナス側だけになっており、触っても感電することはありません。

ジャンプスタートのしくみ

ジャンプスタートではいったい何をしているかというと、バッテリーが上がってしまった車の電気回路の中に、救援車のバッテリーをつなぎ、セルモータを動かすことでエンジンをかけるということをしています。
図で示すと、以下のようなイメージです。

一旦、エンジンさえかけてしまえば、あとは自前のオルタネータでバッテリーを充電することができますので、救援車はセルモータを回すまでの手助けという役割です。

注意点は「ショート」を防ぐこと

電気回路に手を加える時に最も注意しないといけないのが、ショート(短絡)です。
ショートは、ちょうど電池のプラスとマイナスを1本の導線でつなげた状態を言います。

ブースターケーブルをつなぐ手順1つ目の、バッテリーが上がった車のバッテリーのプラス端子に赤ケーブルをつなぐ場合、地面に置いている反対側のクリップが車体に触れると、ショートしてしまいます。
ショートを防ぐには、反対側のクリップが車体に触れないように、つなぐ前の準備の段階で十分離しておくことが重要です。
また、プラスとマイナスのケーブルを同時に手に持たないようにするだけでも、クリップ同士の接触を防ぐことができるので、有効だと思います。

ブースターケーブルをつなぐときの手順は、「プラプラマイマイ」と説明しましたが、なぜプラスからか? というところについて説明します。
仮にマイマイプラプラの順で、先にマイナスをつなぎ最後にプラスをつなごうとしたとき、車体はマイナスを帯びていますので、つなぎたいバッテリーのプラス端子の周りはマイナスに囲まれている状態になります。うっかりバッテリーのプラス端子以外のところに触れてしまうと必ずショートしてしまいます。
最初にプラスをつないでおけば、まだ回路が完成していないので、ショートの危険がない状態でつなぎ終えることができます。

さらに、なぜはじめのプラスがバッテリーが上がった車からつなぐのか? というところですが、これは、万が一ショートした場合でもダメージを少なくするためです。
ショートが起こるのは、ブースターケーブルの両端をつなぐまでに発生しますので、この間を弱ったバッテリーでつないでおくことで、ショートさせたときの被害も少なくて済みます。

水素にも気を使っている

ショートに続きもう一つの注意点ですが、鉛蓄電池は過充電することにより、水素が発生します。
また、ブースターケーブルをつなぎ終え、回路が完成する瞬間には少なからず火花が飛びます。
このバッテリーから発生する水素と火花についても、念のため注意しておく手順になっています。それが、最後につなげる場所をバッテリーが上がった車の「車体」にしているところです。

まず、最後につなげるのをバッテリーが上がった車にしていますので、そもそもバッテリーがあがっていますから、水素が発生している可能性が低いです。
さらに、つなげる場所をバッテリーのマイナス端子ではなく車体にすることで、火花をバッテリーから遠ざけています。これで万が一水素が発生していても着火しないという訳です。

ただ、そもそもボンネットを開けて作業しているでしょうし、あまり気を使いすぎる必要はないと思います。車体には金属がむき出しになった部分が少なくなっており、つなげる場所がない場合は、バッテリーのマイナス端子につないでも問題ありません。

その他の対処方法

ここまでは、救援車とブースターケーブルを使ったジャンプスタートについて解説してきました。
ここからは、その他の対処方法について、紹介します。

ロードサービスを呼ぶ

まずは、ロードサービスです。
メリットは、電話1本で駆けつけてくれて、すべてを任せられること。ですがデメリットとしては、費用が掛かることです。

有名なところではJAFがあります。
その他にも自動車保険やクレジットカードにロードサービスが付帯している場合があります。
我が家の場合は、自動車保険に付帯されているロードサービスを使った経験があります。初めて使ったロードサービスは自宅敷地内は無料サービスの対象外でした。しかし別の保険に変える自宅敷地内でも無料でした。条件は加入している保険によって様々のようです。

万が一の場合に備え、JAFへの加入やロードサービスの無料サービス条件を確認しておくことをお勧めします。

リンク:JAF

ジャンプスターター

少し大きめのモバイルバッテリー程度の大きさのもので、バッテリーに接続することでジャンプスタートができるというデバイスが販売されています。
また最近では、予め充電しておく必要もなく、弱ったバッテリーに残されている電力を使ってジャンプスタートができるというものもあります。
我が家ではもっていませんが、もしもの時に1人で対処できるようになる優れものですので、購入を検討されても良いと思います。

ポータブル電源

一人で対処できるということでは、ポータブル電源も役に立つと思います。

我が家では、冬キャンプ用にEcoFlowというポータブル電源を持っています。これを車のバッテリーとつなげば、バッテリーへの充電が可能ではないかと、考えています。説明書を見ると、「自動車用の鉛蓄電池への充電可能」といった記載がありますが、肝心のブースターケーブルは付属していませんので、別メーカのものを購入しようと考えています。

既にポータブル電源をお持ちであれば、使える可能性がありますので、一度検討されてみてはと思います。

バッテリーを交換

緊急時の対処とは少し異なりますが、頻繁にバッテリーが上がってしまうようであれば、バッテリーの劣化が原因の可能性があります。
バッテリーを交換するタイミングかもしれませんので、検討してみてください。

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